私の宇宙からこんにちは、natanです。
このページでは、私が運営しているYoutube「ろじろじラジオチャンネル」第8回放送時のトーク内容全文をご紹介します。
本日のトーク内容
さあ、始まりました「ろじろじラジオチャンネル」。本日もよろしくお願いします。
今日は、心理学でおなじみの「インナーチャイルド」についてお話したいと思います。まずは、インナーチャイルドを知らない方のために、簡単に説明します。
インナーチャイルドとは、「心の内側にいる子供」のことで、大人になっても変わらずにずっと続いている、自分が幼かった頃の思考パターンや習慣を指します。
人間関係で悩んだり、心に問題を抱えていたりする場合、それを解決する心理カウンセリングや心理セラピーといった場所では、かならずこのインナーチャイルドに焦点を当てます。大抵の場合、心の問題の根本原因は、親子関係からきていると言われています。そのため、幼少期の記憶を今もなお持っているインナーチャイルドに焦点を当てて、問題を解決していくのです。
そして、インナーチャイルドについての一般的な情報というのは、私もすでもサイトの方で記事をあげていますし、専門家さんの書籍やYouTube、その他はネット検索で情報はいろいろ出てくるので、この放送では触れません。
私のインナーチャイルドに関する記事をまだ読まれていない方やご興味ある方はぜひ読んでみてください。
今日お話することは、「インナーチャイルドとの出会い」についてです。
インナーチャイルドという用語や概念は、今では市民権を得ているため、みなさん結構ご存知だと思います。さらに、その存在が自分の心の中に当たり前にいる、というふうに思われている方も多いのではないでしょうか。
私がインナーチャイルドについて気になることは、「いつ、インナーチャイルドの存在を知覚しましたか?」ということです。
ここって、あまり語られていないよなあと思って。
心理学では、すでにインナーチャイルドは心の中に存在するものだという前提で話は進んでいきますが、この放送では、一番最初のインナーチャイルドとの出会いについて、私の実体験を通してお話してみたいと思います。
インナーチャイルドとの出会い
人生のどん底に落ちる
さかのぼること、約5年前。私は人生のどん底を経験しました。そのとき心に隕石が衝突したようなものすごい衝撃を受けて、それまで何十年も私を構成していた自我意識が粉々に砕け散りました。私はこれを「自我の崩壊」と呼んでいます。本当にものすごい衝撃でした。
隕石が衝突した心は、更地のような状態になりました。そして、その更地になった心にインナーチャイルドを見つました。
この件について、私が当サイトの記事やいろんなところでこの話題に触れるときは、さらっと「更地になった心にインナーチャイルドを発見しました」と語っているのですが、それは記事の文字数の都合があったり、トーク時間の都合もあったりすので、いつもさらっと状況を説明する程度にしています。でも、本当は、もっともっと生々しいのです。今日はそのことをお話します。
心に隕石が衝突した当初は、とにかく感情だけが噴出してきました。山が噴火して大量の噴煙が立ち上るような、マグマが噴出するような、凄まじい状態を体感しました。
私はそこからものすごく情緒不安定になって、心はすごくオロオロしていました。「私がおかしくなった」とか「心の病気になっちゃったのかもしれない」とか、何がなんだかわからない、状況判断がまるっきりできない状態になりました。
私の中で泣いている存在に気づいた
しかし、当時の私は本当に「バカ」が付くほど真面目だったので、そのような状態でも会社に出勤しました。
なんせ、皆勤賞ですからね(笑)
でも、情緒不安定は治まっていないので、会社に行って誰かに優しい声をかけてもらったり、笑顔を見せてもらったり、肩をポンポン叩かれたり、もしくは、人差し指でツンツンされただけでも、もうそれだけで泣いてしまいそうな状態でした。
自分のデスクに座っていても落ち着かなくて、感情がこみ上げてフロア内で泣いてしまいそうだったので、急いでトイレに駆け込み、個室に入って、壁を見上げながら泣いていました。でも、思い切り泣けない、なぜなら、目が腫れるから。目が腫れたら泣いてことがバレてしまうし、恥ずかしいから仕事に戻れないし、会社にいられなくなるので我慢していました。
このように、自分がものすごく困ったとき、私はあることをやります。それは「自分会議」です。「自分会議」というのは、自分の中に何人も自分を立てて、心の中で会議をすることを言います。「ひとり会議」とも言います。
この件については、別の回でぜひともお話したいテーマなので、今日はさらりとお話する程度にしますね。
私にとって自分会議は、昔からやり続けてきたことなので、ごくごく自然に開始される会議です。今回の場合も、壁を見上げて泣いていたら、「ねえ、この状態ってすごくやばいよ」という声が私の中に上がってきてので、それで会議がスタートしました。
私の中のいろんな私が会話を始めます。
「この状態やばいって、私」
「壁見上げて泣いてるよ?私」
「このままだと病気になるんじゃない?私」
「え…やだ、ならどうすればいいの、私」
「う~ん、う~ん」
「あ、そうだ、こういうとき心理カウンセリングとかいうやつに通うんじゃない?」
そして私は、「あー!心理カウンセリングか!」と思い、休み時間に早速ネットで県内の心療内科や心理カウンセリングを行っているところを検索しました。しかし、ホームページの優しい雰囲気や温かい雰囲気を通して、率直に感じたのは「私はそんなに病んでない!!!」という変な反発心や恐怖心でした。
せっかく会議で出た「心理カウンセリングに通う」という案は却下となり、またトイレに駆け込みました。個室に入って、心の中で「無理ー!!!」って叫びました。すると、また、ワラワラとたくさんの私が集まってきて、
「ならどうすんのさ~」
「このままじゃ本当に病気になるよ?」
「どうすんの!どうすんの!どうすんの!」
もうね、意見がまとまらないんです。
うるさいのなんのって。
そのとき、ふと気づいたのです。私の中でずっと泣いてる存在がいることを。たぶん、その時点から自分とその内側で泣いてる存在を切りはなして、客観視することができるようになりました。そのずっと泣いてる存在に気づいたことで、
あ…私の中でずっと泣いてる人がいる。
そうか!この人が悲しんでるんだ。
心理カウンセリングに通えないのなら、私が私のカウンセラーになればいいじゃん!
そう決心しました。
内側の存在に寄り添った
「私が私のカウンセラーになる!」と決心しても、まだその頃はインナーチャイルドという言葉も知らないですし、この内側の存在が何を求めているのかもわかりませんでした。ただ、すごい感情はこみ上げてくるのです。それがどうやら「悲しい」という感情だったこと、それだけはわかりました。
ですから、その日帰宅をして、すぐ家にあるぬいぐるみを探しました。これは直感です。とにかく、ぬいぐるみを抱きしめてあげたかったのです。クマのぬいぐるみを見つけて、それをギューッと抱きしめました。
私は本名が「なな」と言うので、ぬいぐるみに「ななちゃん、ななちゃん」と声をかけました。
「ななちゃん、ななちゃん」
「愛してるよ~、大好きだよ~」って。
そうしたら、ブワーッとものすごい感情が上がってきて、涙もものすごい出たのです。直感的に「あ…この方法は合ってる、正しいんだ」とわかり、その日は心が落ち着くまでしばらくぬいぐるみを抱きしめながら、自分の名前を呼んであげ、声を掛けつづけました。「愛してるよ」「大好きだよ」「かわいいね」と。
内側に出産したという感覚
ここまでの状況を振り返って考察してみると、出産に似ていたと思います。
当たり前ですが、普通、出産は外側に生みます。しかも、十月十日ずっと自分のお腹の中で赤ちゃんが育つので、赤ちゃんの存在も、予定日には生まれてくることもお母さんにはわかっています。
でも、私が体験した状況は、十月十日もなく、急に生まれてしまったんです。しかも内側に。
自分が情緒不安定になった理由を考察してみると、「何かを生んじゃった!産みおとしちゃった!なにこれ、なにこれ!!」と驚いたからなのかもしれません。
さらにその産みおとされた存在は、新生児と同じく、生まれたてホヤホヤの、羊水から今まさに出てきたような肌質で、首もすわっておらずフニャフニャ、というような印象でした(あくまで個人的なイメージです)。
ですから、心理学で言われているインナーチャイルドについて、私としては、「え、そんなに当たり前に存在するものなの?」「私は生まれちゃった、産み落としちゃったという感覚なんだけどな」という気持ちが正直な感想です。
だから、私にとってはインナーチャイルドを人間の他者と同じくはっきりと他者として感じることができ、客観視して向き合うことができます。
加藤諦三先生との出会い
当時の私はまだインナーチャイルドという言葉を知らない状態でした。
でも、この内側の存在しっかりケアしなければいけないと思ったので、古本屋に行って、何か参考になる本はないか探しました。すると、ある本のタイトルを見たとき、ピタッと視点が止まりました。それが、加藤諦三先生の「自分に気づく心理学」という本でした。
「これだ!」と直感し、その本を買って、家に帰って早速読んでみました。すると、「私のことが書いてある!!!」と思い、本当にびっくりしました。むさぼるようにその本を読み、読みおわった感想は「ああ…なんだ、私は何一つ悪くなかったんだ」ということでした。
これまで、私はすごく自分のことを責めてきました。人付き合いは下手、うまく人前で話せない、自分の能力も人前で出せない。「なんでこんなに私はできないんだろう」「なんでこんなに私は弱いんだろう」と思ってきました。
でも、このような性格になったのには理由があるということがわかり、「あー良かった、理由があるんだ」と安心しました。
インナーチャイルドとの絆の構築
加藤諦三先生の本をきっかけに、どんどん心理学を独自で勉強していくようになりました。その過程の中で、どうやら私の内側にいる存在はインナーチャイルドと言う、幼い頃の私らしいと知りました。
インナーチャイルドの存在を知ってから、私はインナーチャイルドを産みおとした者として、私が彼女の親になることで、彼女を守るようになりました。
他者に、「お前は非常識だ!」と後ろ指刺されても、私は私の味方でいる!
私は私を絶対守る!
私はもう自分に嘘をつかない!
そう決心しました。
インナーチャイルドはこれまで自我意識に抑圧されてきたので、いろいろとあれやりたい、これやりたいという願いを持っていました。
インナーチャイルドの要求を、叶えられるときは叶えてあげていました。しかし、どうしても叶えてあげられないときもありました。そういうときは素直に「ごめんね、それはちょっとできなんだ」と彼女に話をしました。
私が本気でインナーチャイルドを守ると決めて、実際行動もしてきたのを彼女自身も見ているので、自分の願いが叶えられなくても、私が謝ると、「いいよ、大丈夫」と言ってくれました。ですから、彼女が私をすごく信頼してくれてることがよくわかりました。
私は気づいたらいつの間にかインナーチャイルドと会話ができるようになりました。
と言っても、第3回の放送において男性性と女性性の構造を解説したときにお話しましたが、インナーチャイルドは無意識領域に存在しています。
無意識領域は、主観的な世界です。つまり主観的な世界は、言葉を持たず、感情や言葉になる以前のものが存在する世界です。よって、インナーチャイルドと本当に言葉を交わしているのではなく、彼女があげてきた感情を自我意識である私が言語化、翻訳してるという印象です。そうやってやり取りをしています。
以上のように、私にとってインナーチャイルドとの出会いは、内なる出産という形で急に生まれ、急に始まった関係でした。
今では彼女の傷はある程度浄化できたので、もう悲しむことはありません。さらに、私と彼女の年齢差もなくなっている印象で、しっかりと大人の女性に成長したような気がします。
みなさんはインナーチャイルドとどのように出会ったのか覚えてますか?そして、それはどんな存在ですか?
私のインナーチャイルドは、幼少期の私と同じく、おとなしくて人見知りで甘えん坊。でも、鬼ごっこやかけっこが大好きで、いつもニコニコ笑っているような子です。
よろしければ、コメント欄にみなさんのインナーチャイルドとの出会いや、その子の特徴を教えていただけると嬉しいです。
最後に
最後に、今日のお話で誤解してほしくないことが一つあります。
それは、私は心理カウンセリングに通うことを否定していないということです。私は、心に問題を抱えていて、それを解決したい、誰かに自分の苦しい胸の内を洗いざらい話したいと思う方は、ぜひ心理カウンセリングにお世話になることをオススメします。
私にはその勇気がなかった、ということなのです。「心理カウンセリングに行く=怖い」と思ったからです。さらに私は、もともといろんなことを独学で習得するタイプなので、心の問題解決に関しても、自力でやるという、いつもの習性が出ました。
そして、自力で心の問題に取り組むということが偉いわけでは決してありません。逆です、私は勇気がなかっただけです。心理カウンセリングに通うことに対して私は葛藤しました。そして勇気のなさを自覚して、だから自力でやるという方法を選びました。
私は、心理カウンセリングに通える方のほうが勇気があると思っています。心の問題解決は、他者の力を借りられる場合は、借りたほうがいいです。
なぜなら、私は自力で心の問題解決に取り組んできましたが、ときどきものすごい孤独感に襲われ、それに押しつぶされそうになった経験が何度もあるからです。投げだしたくなることもありました。ですから、心理カウンセリングに通いたいと思う方、そしていま現在通われている方は、勇気がある方です。
私が今日お話したことやこれからお話していく心理学に関する内容は、カウンセリングに通わない日や日常生活の中で急に湧きあがってきた感情に対しての応急処置の方法として活用していただけたら嬉しいです。
というわけで、今回はインナーチャイルドについてのお話でした。今日のお話が、みなさんの気づきの一つになったら嬉しいです。
それでは今日はここまでです。
ご視聴いただきまして、ありがとうございました。
また次回もぜひ聴いてくださいね。
それではまたお会いしましょう!バイバイ!