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【ろじろじラジオ】第45回放送☆ユングのタイプ論~四つの機能の基本概要~

No45:四つの機能アイキャッチ ユング心理学
natan
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私の宇宙からこんにちは、natanです。

このページでは、私が運営しているYoutube「ろじろじラジオチャンネル」第45回放送時のトーク内容全文をご紹介します。

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本日のトーク内容

以下の内容は、放送内容を加筆修正しています。

四つの機能

さあ、始まりました「ろじろじラジオチャンネル」。本日もよろしくお願いします。

前回は、ユングのタイプ論における気質の大枠である「外向型」と「内向型」についてお話をしました。今回は、その中身を構成する四つの機能の基本概要についてお話したいと思います。

前回もお話したように、気質は大きく分けて2つの区別があります。それは「外向型」と「内向型」と呼ばれるものです。ただ、前回の最後の方でもお話したように、人間は流動性がある存在なので、型にはめるのではなく、「外向性」と「内向性」という意識の方向性の違いとして捉えたほうがいいなと思っています。ですから、スライドの方にはそのように記載させていただきました。

4つの機能01

さらに、気質は四つの機能で構成されています。まず、それぞれは非合理機能と合理機能に大きく分かれます。

非合理機能とは、現れてくる事象をそのまま知覚し、自分の中に取り入れる機能のことです。ここに属するものが、感覚と直観です。次に、合理機能とは、現れてくる事象に概念規定を与えたり、良し悪しなどの判断を下したりする機能のことです。ここに属するものが、思考と気持(F)です。(F)はフィーリングの意味でつけています。

気持(F)が合理機能だと聞いて驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、気持はフィーリングを通して、快・不快、良い・悪いなどの判断を下す機能のため、合理機能に属します。女性がよくフィーリングで物事を判断していることを思い浮かべていただくと、わかりやすいかと思います。

非合理機能の感覚と直観、合理機能の思考と気持(F)を合わせた計四つが、気質の中身を構成する機能になります。それぞれの詳しい特徴は次回お話するとして、今日は機能全体の基本構造についてお話していきたいと思います。

機能の組み合わせ~主機能と苦手機能~

非合理機能の感覚と直観は、それぞれ対をなしています。それは、お互いは真反対に属する機能だということです。同じく、合理機能の思考と気持(F)も、それぞれ対をなしています。

4つの機能02

気質は、非合理機能と合理機能のすべてが組み合わされることによって決まるわけですが、それぞれの機能は人によって優位性が異なり、それが人それぞれの気質の違いとして表れてきます。

四つの中で一つの機能だけが主機能となり、それと対をなす機能が自分にとって苦手、もしくは潜在的であり未発達な機能になります。それをユング心理学では「劣等機能」と表現します。しかし、私は「劣等機能」という言葉の印象があまりよくないと感じているので、その機能を、苦手、潜在的、未発達な機能として捉え、そして、それらを代表して、このチャンネルでは主に「苦手機能」と表現していきたいと思っています。

スライドにもあるように、たとえば、非合理機能において感覚機能を主機能にもった人は、対をなす直観が苦手機能になります。その逆パターンもあって、直観機能が主機能だった場合、感覚が苦手機能になります。

また、合理機能において思考機能が主機能の人にとって、気持(F)が苦手機能になり、気持(F)が主機能だった場合、思考が苦手機能になります。

ここで注意事項ですが、非合理機能が主機能だった場合、苦手機能に合理機能がくるということはありません。(例:[✕]主機能→感覚、苦手機能→思考)

かならず、主機能に非合理機能がきた場合は、苦手機能に同じ非合理機能がくる、合理機能が主機能の場合は、同じ合理機能が苦手機能になるので、この点はご注意ください。

([◯]主機能→感覚、苦手機能→直観)

([◯]主機能→思考、苦手機能→気持(F))

主機能と苦手機能が生まれる理由

バランスのとれた自我の素地

なぜそのように、主機能と苦手機能が生まれるかというと、これら四つの機能は、まずはじめに、私たちがこの世に生を受けてから幼少期を過ごす間(大体7歳くらい)に、これから発達していく自我の素地として、誰でも、ある程度のバランスをもって、無意識の中から浮上してくると考えられます。

natan
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図にすると、円ですね。これが一つの平らな円盤のように無意識から浮上してくるイメージです。

4つの機能03

小さい子どもを見ていると感じるのですが、1歳くらいの子どもでも、立派な一人の人間に見えます。子どもはとても利口ですよね。活発だし、表情も想像力も豊かです。ですから、子どもと言えども、バランスの取れた立派な自我の素地は持って生まれてきていると私は感じます。

そしてさらに、その子がもともと持っている素質というものもあるので、何かしら一つの機能が、少し優位に育つようにあらかじめ決まっているのかもしれないなとも思います。

気質が変化していく理由

しかし、そんな子どもの本来の素質が変化するときがやってきます。親などの影響を受けて、その子本来の気質の素地は、次第に変形していくことになります。

たとえば、エリート家系に生まれた子どもは、小さい頃から勉強を熱心にしていくことで、思考機能が突出してくるといったイメージです。突出してきたものが、その子どもの主機能になります。このように、親の気質や生まれた家系の遺伝的要素も加わって、その子本来の気質は、少しずつ変形していくことになります。

主機能が育ってくるということは、その裏でそれと対をなす機能が苦手機能になっていくということでもあります。意識においてその機能を不要だと感じたり、価値を低く感じたりしていることがあるようです。子どもが自分でそう感じたり、親から「そんなことしてはダメ。○○しなさい」と強くとがめられたりしたことが、対をなす機能の価値を低くしてしまう一つの原因かもしれません。

また、前回もお話したように、自我意識と無意識の間にはお互いのバランスを保つための補償作用が働いているので、自我意識によって価値を上げられた機能が、それ以上高くなりすぎないように、無意識が対となる機能を下げて、バランスを取っている場合もあるようです。

このような過程を経て、人それぞれ機能において、得意なもの、苦手なものが決まり、それがその人の気質になっていくようです。

思考優位の社会

勉強

ただ、この気質というものは、現代社会において、かなり複雑な状況にあるようです。というのも、合理機能の中で、とくに思考機能が優位に育つような教育が推奨されて、その思考の優位性を保証する社会構造があるからです。ですから、肥大化した思考が他の機能を従属させてしまう、といったことが起こってしまっているようです。

それとは逆に、思考優位社会への無意識的反発から、気持(F)機能が優位に育つこともあるようです。または、社会への反発ではなく、社会に何とかして適応するために愛想のよさを身につける、これは外向的な気持(F)機能なんですが、そういった意識から気持(F)機能が優位に来てしまう場合もあるようです。

したがって、主機能といっても、それは自分らしさを表す主機能なのか、それとも現代社会によって優位性をもたされた主機能なのか、という違いを見分けなければいけないので、自己分析は結構難しいかもしれません。

もちろん、四つの機能をバランスよく育てることも可能で、自然に触れ合いながら、自然の厳しさも学ぶ、といった過程を踏むと、機能はバランスを維持できるようです。農家さんなどのように自然を相手に仕事をされている方は、機能のバランスが崩れることはないそうです。

天候を推測しなければいけませんし、収穫物の味や食感なども随時チェックして、身体を通して微妙な変化を捉えなければいけません。また、種の数やそこからの収穫量、売上、マーケティングなど、非合理機能だけでなく合理機能も使うことになるので、こういった職業の方は各機能のバランスが良いそうです。

natan
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やっぱり自然の力って大切ですね。

主機能が決まると、必然的に苦手機能も決まるわけですが、その他の機能はどういう役割を持っていくかについて、私を例にしてお話してみたいと思います。

補助機能について

非合理機能が主機能の場合

ユング派のフォン・フランツという方は、意識的に動く機能は三位一体で働いていると言います。そして、私なりの考察も加えて、各機能がどう組み合わされて動くかというと…

4つの機能04

私は直観機能が主機能になっているようです。そこから考えると、苦手な機能は感覚だということがわかります。私は小さい頃から一人でいる時間が長く、そして一人遊びばかりしてきたので、直観機能が育ったようです。主機能が直観、苦手機能が感覚となると、その他の思考と気持(F)機能は、それを補助する形で働きます。

私の場合は、プライベートでは主機能の直観に気持(F)が補助機能として働いて、仕事のときや自分の思想を考えて、それを原稿に落とし込んだりしているときは、思考機能を補助として使っているようです。

また、感覚機能が苦手だと言っても、些細なことをこなす分には正常に働くので、これは私なりの考えですが、感覚に補助機能として気持(F)が来たり思考が来たりしていると考えています。

合理機能が主機能の場合

では、別の例も見てみましょう。思考が主機能の方の場合です。

4つの機能05

思考が主機能の場合、その人の苦手機能は気持(F)になります。そして、非合理機能の感覚と直観は、その人の状況に合わせて、補助機能として主機能をサポートします。

たぶん、現実的に何かをこなそうとしているときは、補助として感覚機能が働いているように思います。また、抽象的な思考をしているときは、補助として直観が機能していると考えます。そして、苦手機能の場合も同じですね。このように、補助機能は自分の現状に合わせて、どちらか一方が機能するようです。

補助機能にも優位性がある

さらに、この話の流れで重要なことについて触れたいと思います。主機能に対して二つの補助機能が、状況に合わせて交互につくわけですが、人間は補助機能のどちらか一方も優位に働かせているようです。

ここ最近の私はそうでもないんですが、自分と向き合う以前の私は、主機能としての直観に気持(F)が補助機能について、いつも働いていたようです。そのため、昔の私は直観が降ってくると「あー!これいいアイデアだね!」といつもフィーリングで決めてしまっていて、そのアイデアを実現するために猪突猛進していました。

natan
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だから、家族からは「いつも先走るよね」と言われ続けてきた過去があります(笑)今でもあまり変わらないかな…。

ですから、補助機能にも優位性があるようです。

ということで、今後みなさんがご自身のタイプを考えていくときは、主機能である①と苦手機能である④を決めてから、補助機能が比較的優位な②と、残りの③を決めていく形になります。詳細な決め方については後日お話しますので、今日は機能を決める順番だけ覚えておいていただけると嬉しいです。

機能の組み合わせ

基本形8タイプ

これまでの説明に沿って、改めてタイプ論を整理してみると、機能の組み合わせの基本形は全部で8タイプあることになります。

4つの機能06

主機能:感覚/苦手:直観~2タイプ~

  1. ①感覚 → ②思考⇄③気持(F) ← ④直観
  2. ①感覚 → ②気持(F)⇄③思考 ← ④直観

主機能:直観/苦手:感覚~2タイプ~

  1. ①直観 → ②思考⇄③気持(F) ← ④感覚
  2. ①直観 → ②気持(F)⇄③思考 ← ④感覚

主機能:思考/苦手:気持(F)~2タイプ~

  1. ①思考 → ②直観⇄③感覚 ← ④気持(F)
  2. ①思考 → ②感覚⇄③直観 ← ④気持(F)

主機能:気持(F)/苦手:思考~2タイプ~

  1. ①気持(F) → ②直観⇄③感覚 ← ④思考
  2. ①気持(F) → ②感覚⇄③直観 ← ④思考

外向性と内向性を含めた組み合わせ~全16タイプ~

そして、これだけでは終わりません。これらは前回お話した外向性と内向性に分かれるので、それも含めて分類すると、全16タイプあるということになります。

4つの機能07

主機能:感覚/苦手:直観~4タイプ~

  1. 外向的感覚 → ②思考⇄③気持(F) ← ④内向的直観
  2. 外向的感覚 → ②気持(F)⇄③思考 ← ④内向的直観
  3. 内向的感覚 → ②思考⇄③気持(F) ← ④外向的直観
  4. 内向的感覚 → ②気持(F)⇄③思考 ← ④外向的直観

主機能:直観/苦手:感覚~4タイプ~

  1. 外向的直観 → ②思考⇄③気持(F) ← ④内向的感覚
  2. 外向的直観 → ②気持(F)⇄③思考 ← ④内向的感覚
  3. 内向的直観 → ②思考⇄③気持(F) ← ④外向的感覚
  4. 内向的直観 → ②気持(F)⇄③思考 ← ④外向的感覚

主機能:思考/苦手:気持(F)~4タイプ~

  1. 外向的思考 → ②直観⇄③感覚 ← ④内向的気持(F)
  2. 外向的思考 → ②感覚⇄③直観 ← ④内向的気持(F)
  3. 内向的思考 → ②直観⇄③感覚 ← ④外向的気持(F)
  4. 内向的思考 → ②感覚⇄③直観 ← ④外向的気持(F)

主機能:気持(F)/苦手:思考~4タイプ~

  1. 外向的気持(F) → ②直観⇄③感覚 ← ④内向的思考
  2. 外向的気持(F) → ②感覚⇄③直観 ← ④内向的思考
  3. 内向的気持(F) → ②直観⇄③感覚 ← ④外向的思考
  4. 内向的気持(F) → ②感覚⇄③直観 ← ④外向的思考

そして、自分のタイプを表現するときは、先手機能の二つだけを言う形になります。外向的で主機能が感覚、補助機能で思考が優位の場合は、「外向感覚・思考型」という表現になります。

主機能と苦手機能が反転している理由

さらに、ここで注目していただきたい点があります。主機能が外向性を持っていた場合、苦手機能は逆に内向的になるという点です。

なぜそうなるかというと、主機能が発達してくるということは、本人もその機能を扱うのが得意だとわかっている、つまり意識化できている、ということになります。その反対に、苦手機能は主機能の補償作用によって価値を下げられているので、それは無意識に近い位置まで下降することになります。

4つの機能08

また、ヌーソロジーの観点から考えた場合、自我意識と無意識は捻れた構造をもっているため、主機能と苦手機能はその中心で捻れていると考えることができます。それぞれを一列に並べた図を見てみるとわかりやすいかと思います。

補助機能の説明のときに、四つの機能を主機能と苦手機能のグループに分けているスライドをお見せしましたが(下図参照)、そのようにグループ分けしている理由の一つに、じつは意識の構造上、捻れがあるということを考慮したという背景があります。結果として、主機能と苦手機能は捻れることになります。

4つの機能04

まとめると、主機能が外向性をもっている場合、苦手機能は内向的になり、主機能が内向性をもっている場合、苦手機能は外向的になるということです。これで全16タイプです。

苦手機能と向き合おう

では、本日のスライドはここまでですが、お話はまだもう少し続きますので、お付き合いください。

今日お話した四つの機能は、自己分析のツールとして活用していく形になりますが、自己分析のその先では、変形してバランスを崩してしまった機能たちを、どのようにバランスのよい形に戻していくかを考えていくことになります。

主機能は自我意識によって価値を高められていますが、じつは、主機能は成熟させることができないと言われています。私たちは自分の得意な機能ばかりを使って、人生のあらゆることに対処していきますが、主機能はそれに合わせて成熟していくのではなく、次第に、ポンコツの車のように劣化し、不具合が多くなっていくそうです。

故障した車

だいたい人生の後半あたりから、自分の得意な機能の精度が落ちてくると思われます。すると、それと同時に、その人は人生のあらゆるところでつまづくようになります。そうなったとき、自分の苦手な機能に目を向けることで、四つの機能の再構成がはじまり、さらにそれらのバランスがうまく取れるようになると、新しい人生の再出発をきることができるそうです。

ただし、この苦手機能は主機能のように、上に引っ張り上げることができません。引っ張り上げようとすると、上位の三つの機能が一気に崩れ、心のバランスが崩壊してしまうという、たいへん危険な状態に陥ってしまうからです。

ですから、苦手機能を上に引っ張りあげるのではなく、主機能を含めた上位三つの機能が苦手機能の位置まで降りてこないといけない、ということになります。でも、それは簡単な作業ではありません。自分が忌み嫌っていた機能、価値下げをしてきた機能、潜在的もしくは未発達のままの機能と向き合わなければいけないので、それ相応の苦しみと葛藤が伴うからです。ですが、これこそが自我の確立に必須の過程なんですね。

苦手機能を自分自身が心から受けとめ、そして、その機能をじっくりと育んでいくことによって、今度は無意識のごく近い位置で、四つの機能が一つの円となって活動をするようになるそうです。すると、どの機能が優位で、どの機能が苦手なのかという区別がない、すべての機能が一つになった新しい心の構造がそこで生まれるそうです。

この状態を迎えたとき、ようやくユングが言う「個性化」、そしてヌーソロジーが言う「霊的個体化」もしくは「無意識の顕在化」という過程に入っていけるだろうと考えます。まだまだ先は長いですが、まずはしっかり自己分析ができるように、四つの機能の基本概要を知っていきましょう。

というわけで、以上で四つの機能の基本概要についての解説を終わります。いよいよ次回は、四つの機能それぞれの特徴についてお話していきたいと思います。

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それでは今日はここまでです。
ご視聴いただきまして、ありがとうございました。
また次回もぜひ聴いてくださいね。
それではまたお会いしましょう!バイバイ!

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