私の宇宙からこんにちは、natanです。
今日も、セックスと自律神経についてのお話です。
◎前回までのお話はこちら↓
▼ 参考文献 ▼
安全と危険に反応する自律神経
女性の自律神経系は、安全と危険にも反応します。
安全だからリラックスして食べたり、消化したりしてよい、リラックスして眠ってよい、リラックスしてセックスしてよいと、自律神経系が脳に、そして体に信号を送ります。
リラクセーション反応は、西洋では1975年にハーバート・ベンソン博士が最初に指摘した能力で、私たちが充分にリラックスしたときに、脳が自律神経系の癒やしの効能を促進し、意識して制御できない体の働きの効果を上げます。
現在では、手術後の早期回復から集中力の向上、心臓病の防止まで、リラクセーション反応が人間の心身に幅広い利益をもたらすことを示す研究が数百もあります。
女性の性的興奮にリラックスが重要
最近のいくつかの研究は、女性の性的興奮にもリラクセーション反応が思った以上に重要であることを明らかにしました。
ジョージアディス博士の研究チームによるMRIを用いた調査では、女性がオーガズムに近づくにつれて、行動を調節する脳の中枢が不活発になることがわかったのです。
生化学的な作用によって、奔放な女になると言ってよいでしょう。
抑制が解かれ、痛みに無感覚になって、あたかも意識変容の状態にあるかのようになる。
このトランス状態に深く入れるのは、ハイオーガズムのときです。
このとき、判断力は停止し、痛みさえ正常な意識状態のときのようには感じません。
自律神経系は、女性をそこまで連れていくのです。
リラックスし、息が深くなり、上気し、血液が必要なところに行きわたり、ドーパミンの活性化でエネルギーの集中が高まり、ついに、しかも安全にトランス状態になります。
同時に、骨盤の激しい収縮のようなものが起こるので、疲れ切って消耗し、オピオイドとオキシトシン――至福と愛情のホルモン――の激しい波をあび、愛と幸福がパートナーとの関係と人生にもたらされます。
「安全」を感じることが重要
ところが、ここには落とし穴があります。
意思の力では、自律神経系に何もさせられないのです。
「私を燃えさせて」と命じることができないのです。
これは、自律神経系の他の作用も同じです。
母になった人はご存じのとおり、母乳を止めようと思っても止められないし、意識して消化を早めたり遅くしたりもできないし、お産を軽くすることもできません。
多くの女性が(男性も)、もどかしく感じていはいますが、気持ちを高めてオーガズムに達しようと意識すればするほど、その状態は逃げていってしまうのです。
女性の脳をハイオーガズムに持っていく、超越的な状態に入るためには、
安全だと感じていることが絶対に必要
です。
悪いストレスから解放され、必要なら守ってくれる人、自分に危害を加えたり、手も足も出ない状態に追い込んだりしない人のいるところなら、安心してトランス状態に入れます。
女性はリラックスしていればこそ、性的に興奮できるのです。
出産や授乳にもリラックスが重要
リラックスし、大切にされている状態が女性の性反応を高めるように、悪いストレスはセックスを台なしにします。
著者は、『誤解――母親になるまでの真実とうそと予期せぬこと』を執筆した10年前に、ヴァギナ――と乳房と子宮――のパフォーマンス、もしくはパフォーマンスとの不発との関係におけるストレスの作用に関心をもったそうです。
調べていくと、出産時と授乳時にリラックスすることで、子宮と子宮頚部、産道、ヴァギナ、会陰のすべてが自律神経系の働きを充分に発揮することがわかったそうです。
やわらかい光、心のやすらぐ音楽、優しい気づかい、愛情に満ちた家族といったストレスの少ない環境が、出産と授乳を助けることは、臨床的に数値に表れています。
病院での出産は、母親が点滴器具に縛りつけられたり、「胎児切迫仮死」の疑いを監視する分娩モニターをずっと見せられたりするのが大きいストレス要因となり、ストレスそのものが子宮収縮や母乳の分泌を生化学的に――心理的ではない――妨げることを多くの研究が報告しています。
それでは次回は、出産に関するお話をしたいと思います。
次回もお楽しみに♪