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【ろじろじラジオ】第28回放送★母性原理と父性原理について~ユング心理学~

母性原理と父性原理アイキャッチ ユング心理学
natan
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私の宇宙からこんにちは、natanです。

このページでは、私が運営しているYoutube「ろじろじラジオチャンネル」第28回放送時のトーク内容全文をご紹介します。

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本日のトーク内容

以下の内容は、放送内容を加筆修正しています。

さあ、始まりました「ろじろじラジオチャンネル」。本日もよろしくお願いします。

今回も無意識についてお話していきます。

無意識についての話は、ユング心理学そしてユング心理学を日本にもたらしてくださった河合隼雄先生の話がたいへん参考になるので、それをベースにお話を進めていきたいと思います。

河合隼雄先生
河合隼雄先生

今回は私たち人類の集合的無意識を育てている、大きな二つの力についてお話をしたいと思います。

母性原理と父性原理

前回もお話したように、私たちの無意識階層は、個人的無意識そして普遍的無意識で構成されています。普遍的無意識は「集合的無意識」とも言い換えることができます。

そして人間には自分を育ててくれる父と母がいるように、意識においてもそれは同じです。

無意識の階層性

深層心理の世界では、私たちの意識を育てるものとして「父性原理」「母性原理」というものを考えます。父性原理と母性原理の間から意識が生まれるというよりは、意識が生まれた瞬間、それを育てるために宇宙は同時に父性と母性も生み出すそうです。

意識は生まれたばかりのころは無意識が優勢ですが、その無意識の中に自我の萌芽が内包されています。

母性原理とは

まず「母性原理」について解説します。母性原理は「包含する」機能によって示されます。それはすべてのものを良きにつけ悪しきにつけ包み込んでしまいます。そしてそこではすべてのものが絶対的な平等性を持ちます。「我が子であるがきり」すべて平等に可愛いのであり、それは子どもの個性や能力とは関係ないことなのです。

私たち人類はその無意識の真相に、自分自身の母親の像を超えた、絶対的な優しさと安心感を与えてくれる、母なるもののイメージを持っています。それらは外界に投影され、各民族がもっている神話の女神や崇拝の対象となったいろいろな像として私たちに受け継がれています。

土偶

しかし、そのような優しい母にも、じつはもう一つの側面があります。

母親は子どもが勝手に母から離れることを許しません。それは子どもを危険から守るためでもあり、母と子一体という根本原理の破壊を許さないからです。このようなとき、時に動物に見られるように、母親が子どもを呑み込んでしまうこともあります。母性原理の肯定的な面においては、生み育てるものであり、否定的な面では呑み込み、しがみつき、子を死に至らしめる特徴を持っています。

ユング心理学ではとくにこの母性原理を「グレートマザー」と呼んでいます。

父性原理とは

続いては、父性原理についてお話します。

父性原理は、「切断する」機能によって示されます。それはすべてのものを切断し分割します。主体と客体、善と悪、上と下などに分類し、母がすべての子どもを平等に扱うのに対して、父は子どもをその能力や個性に応じて類別します。

極端に言えば、母が「我が子はすべてよい子」という標語によってすべての子どもを育てようとするのに対して、父は「良い子だけが我が子」という規範によって子どもを鍛えようとします。

父性原理は強いものを作り上げてゆく建設的な面と、逆に切断の力が強すぎて破壊に至る面の両面を備えています。

母性原理の時代から父性原理の時代へ

人類の意識はまずは母性原理によって育まれます。今の時間軸でその母性原理の中で人類の意識が育っていた時代がいつなのかを考えてみると、それは日本で言えば縄文時代が該当すると考えます。

世界的に見ると、ユダヤ教が生まれる以前の世界、その時代が母性原理の中で人類の意識が育っていた時代だと言えると思います。そして、ユダヤ教のような一神教が生まれた時代というのは、人間の意識に父性原理が介入してきた時代です。母性原理からの切り離しが始まったということです。

日本人は母権的意識が強い

富士山

ここで世界は大きく二つの意識に分かれることになります。それは西洋は父性原理の強い意識(父権的意識)を持つようになりますが、それとは逆に、ここ日本はず~っと今日まで母性原理の強い意識(母権的意識)を持つということです。

ユング心理学を学んだ河合隼雄先生が日本にそれを持ち帰ったとき、壁にぶつかったそうです。その理由は、西洋で言われる自我の確立方法が、日本にはそのまま適応できないことに気づいたからです。

西洋は父権的意識が強い、それは自我意識が強いということなので、西洋においての自我確立は、切断された無意識とどのように自我意識が再度接続を図っていくかという課題があるそうです。

しかし日本はその逆で、母権的意識が強い、それは無意識との接続が強く、自我が弱いということなので、西洋自我とは真逆の課題があります。だから日本人の意識にあった自我の確立方法を考えていかなければいけないと河合先生は思ったそうです。

この件については次回お話するとして、今回のお話をまとめます。

まとめ

私たち人類の集合的無意識は母性原理によって育てられたということ。この集合的無意識は自我の萌芽を内包しています。これは個人の意識においても同じです。

そして父性原理の介入によって意識は母性原理から切断され、自我を育てる過程に入ったということ。それが今の時代だということです。

というわけで、母性原理と父性原理のお話でした。次回は母権的意識の強い日本人の意識についてお話したいと思います。

natan
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それでは今日はここまでです。
ご視聴いただきまして、ありがとうございました。
また次回もぜひ聴いてくださいね。
それではまたお会いしましょう!バイバイ!

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