私の宇宙からこんにちは、natanです。
今日は心の問題を解決していく中で、このテーマも抑えておいた方がいいなと思うことについてお話したいと思います。
男らしさと女らしさ
これまでもお話してきたように、自我形成の土台になっているのは親子関係です。
子供は親情報をコピーし、親を真似て育っていきますが、幼少期の頃にある重要な概念を親から教わります。
それは…
男らしさと女らしさ
という概念です。
この性に関する概念は、親から教わるものではありますが、親自身はさらにその親(祖父母)から教わり、その親はさらにその親(曽祖父母)から教わるという経緯があるので、結果的に「男らしさ」「女らしさ」の概念は、
日本という国が持っている概念
にもなると考えます。
親から教わる価値観の中で、この性に関する概念の根深さはかなりのものがあり、個人の自我形成の強固な土台となっています。
昭和の時代までは、この「男らしさ」「女らしさ」は十分機能していたと思います。
しかし、時代は平成になり、そして令和へ入ると、この性の概念が個人の心を縛っていることに少しずつ人々は気づきはじめました。
なので、ジェンダーフリーを訴える活動が増えているのだと思います。
性の概念は個人の自我形成の土台になっているので、親子関係のフィルターのクリーンアップをする中で、同時にこの「男らしさ」「女らしさ」についても改めて考え直す必要があるように思います。
男性に受け入れられるための女性像
私は女性なので、女性の視点から感じる「女らしさ」は、一言でいうと…
男性に受け入れられるための女性像
だと思っています。
女性が何気なく可愛いと思うもの、こうなりたいと思う姿、仕草や言葉使い、髪型などなど。
ありとあらゆるものの根底には、「男性に受け入れられる私」という理想像があると思うのです。
この「らしさ」という概念は、表の姿だけでなく、個人の行動や考え方までも規制します。
女なんだから料理ができないとダメ。
母親なんだから子育てをしっかりやれ。
奥さんなんだから、家事を完璧にこなせ。
こういった縛りがある中で、現代は女性が社会で働くことが当たり前になったため、さらに「仕事もちゃんとやれ」という、めちゃくちゃな要求が女性たちを苦しめています。
それらをすべてこなせるのって、人間じゃなくてロボットだと思うのですが、みなさんはどう思いますか?
もし、それらをすべてこなしている女性がいるのなら、心理の観点からいえば、相当自分を抑圧しているとしか思えません。
人間はできる、できないがあって当たり前だからです。
古代から続く女性差別
女性に対する性の差別は、古代ギリシャ・ローマの時代から顕著になっていきます。
古代ギリシャは、おじさんが少年に恋をするという、今では犯罪になるような驚きの恋愛観をもっていて、古代ローマでは女性は略奪するものという、信じられない時代がありました。
そして、キリスト教の布教とともに、女性に対する抑圧はさらに激しさを増し、「女性は家庭内の天使であれ」といったような考え方が生まれ、今日に至ります。
日本でも独自の「らしさ」への縛りがあり、時代が変わるごとに女性の在り方も変わっていきます。
なので、女性に対する「らしさ」の強要は、約2,500年くらいの歴史があるため、この概念から抜け出すためには相当の根気強さが必要になると思います。
こう語っている私だって、今でも女性のあるべき姿と本当の自分の間で葛藤してますもん…。
男女ともに強要される「らしさ」
上記の話は女性からの視点でお話しましたが、逆をいえば、男性も数千年に渡って「男らしさ」を強要されているのではないかなと思うのです。
パートナー(男性)がいる女性の方はイメージしやすいと思いますが、男性は心を許した女性に対して子供のように振る舞うことがありますよね。
私はそれを可愛いと思い、愛おしくなっちゃうタイプなんですが(笑)、 誰でもいいわけではありませんけどね。
自分に母親像を投影していることもあるとは思いますが、そういう男性を見ると、
あ~、本当はこの人だって甘えたいんだよね
と思うのです。
男女ともに「らしさ」を強要されている。
これはお互いかなりシンドイと思うのですが、お互いはその「らしさ」を強要されていることに気づいていないので、またしてもここで自分への抑圧、制限が他者に反転して、他者に「らしさ」を求めてしまうという悪循環が起こっているように思います。
バ美肉おじさん
私はEテレの「ねほりんぱほりん」という番組が大好きで、毎週録画して見ているのですが。
この番組で取り上げられた、あるテーマがとても印象的でした。
それは…
バ美肉おじさん
といわれる人たちです。
「バ美肉おじさん」とは、
- 【バ】バーチャル空間で
- 【美】美少女に
- 【肉】受肉する(手に入れる)
- おじさん
の意味です。
詳しいお話は上記の動画をご覧いただきたいのですが、ここでお話したいポイントは、「なぜおじさんがバーチャル空間で美少女に変身するのか」という点です。
番組に出演された方が話していたのは、「世間に男らしさを強要され、それが苦しかった」という旨の話がされていました。
その苦しさから解放されるために、バーチャル空間で自分の女性性♀の部分を美少女として表現しているようです。
バ美肉おじさんの例は極端に感じるかもしれませんが、私個人としてはその人が表現する個性的でインパクトのある行動にいろいろ批判するのではなく、心の根底にある性の悩みは、人類全体が共通して持っているのではないかという点だけに着目しています。
みんながもともと持っていた悩みが、いよいよ表面に出てきたということだと思います。
男らしいと女らしいは同じこと
「男らしさ」「女らしさ」は、現代でもいまだ強固に人々の心に根を張っています。
私は、女性がお化粧をしてオシャレをすることを悪いとは思っていません。
だた、何度もお話しているように、自分がその「らしさ」を強要されて苦しんでいるのであれば、その考え方からも解放されるべきだと思うのです。
AV監督の二村ヒトシさんという方の書籍で、とても共感するお話があったので、みなさんにも共有したいと思います。
書籍『なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか』の中で、「男らしさ」「女らしさ」について二村さんがこう語っていらっしゃいます。
●「女らしい」ことと「男らしい」ことは、同じ
男性が「男であろう」とすることと「男らしく」することの関係にも、女性の「女であろう」とすることと「女らしい」の関係とまったく同じことが言えるんです。
「男らしい」ということは「見返りを求めず、他人のために自分の力を使うこと」です。
男らしい人とは「他人に優しい人」のことです。それは「女らしい人」と同じです。
(中略)
だから、あなたが「どうも自分は、女らしくなれない…」「女らしくするのがイヤなんだけど、そうもいかない…」と悩むんだったら。
いっそ、男らしくしちゃえばいいんです。
女性であるあなたが「男らしく」ふるまっていたら、かならず周囲から「かっこいい」「女らしい」と言われます。
だって「男らしい」ということは「他人に優しい」ことなんですから。
でもそれは、あくまでも「男らしく」でなくてはいけないのです。
「男に負けないように、がんばる」のは男らしくない。それは女なのに「男であろうとしている」ことです。
女であるあなたが「男であろう」としていると、必ず周囲から「女のヒステリー」と言われて、あなたは疲弊していきます。
女性であっても男性であっても、男らしくしたかったら男らしくすればいいし、女らしくしたかったら女らしくすればいい。
男性が「女らしく」すると たとえば結婚している男性が、家事や育児を積極的にやると 周囲から「男らしい」と言われて、それは彼の自己受容・インチキではない自己肯定につながります。
パートナーとのあいだで、女性のほうが仕事が好きだったら、生活費を「男らしく」バリバリ稼いで、男性が「女らしく」家事や育児をしたっていい。
なぜあなたは「愛してくれない人」を好きになるのか~「女らしい」ことと「男らしい」ことは、同じ~より抜粋
男らしいことをすれば女らしくあり、女らしいことをすれば男らしくなる。
これを読んで、「男らしい」「女らしい」の概念は、そもそも意味のないものだなと思いました。
私自身も他者に対して、第一印象は男っぽくサッパリした女の子だなと感じた子でも、その子と関係性を築く中でふとした瞬間に女性っぽさが出たとき、「あー、なんて可愛いんだろう!」と可愛いの気持ちが勝ってしまうときがあります。
100%女性らしい人より、時折見える女性らしさの方が大好きです!なんのカミングアウトだ(笑)
まとめ
本 重要なのは「らしさ」ではなく、その性を超えて
自分らしくあること
だと思います。
他人の評価など気にしなくていいと思います。
私も自分で言うのはなんですが、女性っぽかったり、男性ぽかったりする人間なので。
人間関係は面白いもので、私が女性性を出すと他者は性別問わず男性性側になり、私が男性性を出すと他者は女性性側になって、その場での性のバランスが取れちゃうのが面白いなと思います。
これが自然の性のバランスだと思うので、ここで変に「男らしさ」「女らしさ」で自分を縛ってしまうと、人間関係もアンバランスになってしまうような気がします。
実体験として、「らしさ」で縛られている人と会話しても、話が盛り上がらないし、相手が自分に心を開いていないことが丸わかりなのですよ…。
人間は、自分の内側でつねに性のスイッチを男性性左右矢印女性性と切り替えていると思うので、その自然な切り替えに任せてしまえばいいと思うのです。
だから結局、「らしさ」より「自分らしくある」ことが最も重要だと思います。
ミックスツイン構造で考えても、そうするのが自然だと思うんですけどね。
親子フィルターのクリーンアップをする中で、ぜひあなたを縛っている「らしさ」からも解放されてください。
次回もお楽しみに♪