私の宇宙からこんにちは、natanです。
今日は男性性に関する二つ目のお話です!
◎前回までのお話はこちら↓
▼ 参考文献 ▼
ジャンクセックスにうんざりな女性たち
これまで、女性性が開花するようなセックスについてお話をしてきて、多くの男性は
え、男はただ女性の快楽のためだけにセックスするのか…?
と絶望的になっているかと思います(笑)
女性性の特徴をお話したかったので、そういう話中心になっちゃうだけです(^_^;)
実際問題、女性を快楽へ誘おうとすると、多くの男性は途中で「萎える」と思います。
セックスにおいて、安心・安全な場は準備できたとしても、女性(性)の特徴である自律神経の活性化までにかかる時間の長さや、繊細なタッチや愛撫、骨盤神経に表れているような女性一人ひとり違う性感帯を探しあてないといけないので、そういうことをしていると男性は途中で萎えてくるのは致し方ないことだと思います。
だからといって、これまで通りのジャンクセックスには女性はもうウンザリなわけで…。
では、どうすればいいか?
感情の劣化が起こっている
まず、男女ともに至福のセックスを行うためには、「欠かせない力がある」と社会学者宮台真司さんはおっしゃいます。
それは…
相手の心を自分に映す力。
宮台真司さんをご存知の方は知っていらっしゃると思いますが、宮台さんが盛んに述べている現代の危機感として、
感情の劣化
というものがあげられます。
現代人の多くが感情が劣化しているため、自分のことしか考えられず、他者がどう考え、どう思っているかを理解することができない。
人とのつながりは本来、入れ替え不可能なものなのに、感情の劣化によって、
この人がダメならあの人!
といったように入れ替え可能だと考える。
これによって、現代人はかつて日本にあったような共同体を形成できなくなっているといいます。
私の考察
このことは男女問わず、社会全体がその方向性に強く傾いているという話であり、男性だけに責任があるということではありません。
しかし、社会という視点で捉えた場合、この社会の性別は「男」です。
私はいつも、
この社会には、おちんちんがついている。
なんて言っているのですが(笑)
この社会の姿、そして価値観や強いコントロール思考などがそのまま反映されているのが男性(性)だと私は考えています。
なので、女性にとってセックスする相手は男性であっても、私としては女性は男性とセックスしているのではなく、
女性は男社会とセックスしている
という、社会学者上野千鶴子さん風のノリで、現代のセックスを捉えています。
だから私としては、男性優位のセックスは男性それ自身に責任はなく、社会全体にあると考えています。
もちろん、女性も感情の劣化が起こっていて、女性の場合は男性と違ってどんどん「メンヘラ化」しているというのが、宮台さんの考察です。
メンヘラとは一般的に「メンタルヘルス(心の健康)になんらかの問題を抱えている人」をあらわして使われることが多いよう。
インターネット上で生まれた言葉だと言われていて、よく言われる「メンヘラ女子」は【重い女】【面倒くさい女】などのニュアンスで使われることが多いようです。
「メンヘラ」ってどういう意味?メンヘラと言われる女性にありがちな特徴とは?
この感情の劣化が、ダイレクトにセックスにも反映されているのです。
感情とは女性性の領域です。
その劣化が、女性(性)をないがしろにするセックスとして顕著に表現されています。
感情の回復が必要
お話冒頭で、「相手の心を自分の心に映す力」が必要とお話しましたが、これは感情の力によって発揮されるものであるため、男女ともに至福のセックスをするためには、
感情の回復が必要
ということになります。
感情が回復することによって、相手の感じていることがダイレクトに男性側にも感じられるようになり、それによって男性の興奮もアップし、それがまた女性に伝わり、女性もさらに興奮し、互いの興奮や快感が交差するようになります。
男性性と女性性の性エネルギーの循環が起こるのです。
そんなことを実践している男性が実際いるのか疑わしく思うかもしれませんが、世の中には「セックスするなら女性も楽しんでほしい」という思いで、セックスについて自分なりに探求して、彼女が悦ぶことに快感や興奮を感じている男性もいるということを私は知っています。
そういった男性は、とても感情が豊かで、包容力があります。
女性を大事に大事に扱ってくれる男性です。
男性性の特徴
上下関係で活きてくる
とまぁ、そんなことで、セックスには感情の回復が必要なのですが、女性を丁寧に扱うと、男性に起こってくる「勃たない」問題。
この原理なんですが、加齢やストレスによってそうなるという医学的な話は横に置いておいて…。
これってじつは、半身を失った現代の男性性の特徴に原因があると私は考えています。
そもそも男性性とは、上下関係で活きてくる性質を持ちます。
だから人は、トップを目指そう、有名になろうとして、他の人より抜きん出ることを目指すわけですが、これは男性性が働くからです。
これに良い・悪いはありません。
逆に、なきゃ困るものです!
主体と客体でみた場合
そしてさらに、現代の男性性を自己意識としてみた場合、自分は「見る側」であり、女性性側の他者は「見られる側」となります。
主体客体の関係性ですが、これがセックスになると、
となります。
時代や文化で変わるセクシュアリティ
家父長制、男性優位社会において、何千年もこの関係性が絶対視されてきたこと、そして客体側である女性は受動的であることを求められ、性市場で女性は「モノ化」させられています。
上野千鶴子さんの見解によると、セクシャリティとは時代や文化によって変化するとのこと。
つまり、現代の男性のセクシャリティにはダイレクトに時代や文化が反映されているため、受動的な女性に対して男性は性的に興奮するようになっているということです。
逆に女性は、男性やそのパーツに興奮するのではなく、男性に欲望される客体としての自分自身に興奮します。
▼ 参考文献 ▼
なので、男性が性的に興奮して勃起するということは、自分が主体となって男性性が優位に働いていることの表れなので、ペニスは自我意識を象徴している、ということになるのです。
男性性の特徴のまとめ
このセクシャリティを持っている男性が、ベッドの中で急に女性に平等性を訴えられたり、女性が主体となるセックスを求められようものなら、「勃たない」問題が勃発するのは火を見るより明らかです。
男性のセクシャリティには、上下関係が必要ですからね。
男性が主体じゃないとダメなんです。
くり返しになりますが、私は男性を責めているのではありません。
これは社会がそうだから、そうなっていると考えています。
しかし、社会を急に変えることは困難なので、男性側の自主的な感情回復作業が必要だと考えます。
感情の劣化の原因~女性性の抑圧~
感情の劣化は社会側にも責任がありますが、もう一つの原因は、個々人の中の女性性抑圧によっても起こっています。
上野千鶴子さんは、書籍『女ぎらい~ニッポンのミソジニー~』の中で、
女性嫌悪こそ男性性の核心
と喝破していたのが、とても印象的でした。
▼ 参考文献 ▼
挿入至上主義をやめること
なので、感情の回復は自己と向き合うことから始めなければいけないので、それはすぐ達成できるものではありません。
その件は時間をかけて向き合っていくとして、セックスにおいてパートナーとしっかり向き合いたい、愛し合いたい方に対して、宮台さんやAV監督の二村ヒトシさんはこうアドバイスされています。
挿入至上主義をやめること。
挿入して射精しなければセックスじゃない!
という考えが根底にあるからこそ、セックスで焦る。
でも、女性は挿入至上主義のセックスにトホホ状態ですし、本当はそれよりも愛されたい、大切にされたいのです。
だから、勃たなくてもいい、射精しなくてもいい、ただ愛し合おうとする気持ちをまずは持つこと。
相手を受け止め、相手の心を読み取って、何を求めているのか、どうしてほしいのかをじっくり考えること。
相手と真正面から向き合う、そういった濃厚なコミュニケーションとしてセックスをとらえてみると良いと思います。
だから、恋愛やセックスは「いかに相手の立場に立った行動ができるかを競うスポーツ」なんですよね(^^)
書籍『どうすれば愛しあえるの~幸せな性愛のヒント』(宮台真司・二村ヒトシ著)は、下記動画をまとめたものなので、動画をまずは見てみることをオススメします。
▼ 参考文献 ▼
感情の回復は「法外」でしかできない
最後に…。
宮台さんによると、感情の回復は社会の中では不可能だといいます。
感情の回復は法外でしかできない
とのこと。
「法外」とは、法律を破るとかそういった話ではなく、宮台さん用語の一つで「社会の外」のことを指します。
その法外こそが、
恋愛・性愛
です。
時代を遡れば、日本人の感情劣化をいち早く察知し、それを阻止するためには天皇中心の世界に戻すことが必要である!と豪語した有名な方がいらっしゃいます。
そう、三島由紀夫です。
三島由紀夫の発言は天皇中心主義に戻り、戦争を望むといったようなとらえ方をされますが、それは三島由紀夫を表面的にしかとらえていないのであって、本質はまったく別のところにあります。
三島由紀夫が言いたかったのは、戦争という非日常でないと、本当の武士道(男性性)が発揮されないということ。
その武士道こそが日本人の精神だと。
その精神が失われているから、アメリカに従属してしまうんだと。
でも、それは戦争が身近にあった時代だからこその表現であり、現代に沿っていえば、非日常の現象は「恋愛」「性愛」へと表現が変わり、その性愛がなければ人々の感情は回復しない、社会という法の檻の中から外へ出られないと宮台さんは訴えているのです。
若い人たちに広がっている、恋愛離れ。
これが感情の劣化をさらに加速させているそうです。
でもね、私としては強制的に恋愛しなきゃ、セックスしなきゃと思わなくていいと考えています。
もっと根本的な部分で、普通の男女が互いを抑圧することなく、幸せに楽しくコミュニケーションできることが大切だと思うからです。
だから、至福のセックスを男女の幸せなコミュニケーション法としてとらえ、それを…
というお話は、しつこいくらい言っているので、今日はこのへんでやめておこう(笑)
まとめ
前回と今回、男性性についてお話してきましたが、男性性には鍛錬が必要なんですよね。
女性も例外なく、ですよ。
性愛による感情の回復は女性性の復活であり、三島由紀夫が目指した武士道はそこに「男性美」という女性性が入っているですよね。
いや~、歴史や社会学って面白いわぁ!!
というわけで、男性性の鍛錬は心の筋トレと捉え、日々精進していきましょう!
次回もお楽しみに♪