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古事記☆新解釈【12】カグツチ被殺③~タケミカヅチは刀の神様じゃない説~

古事記☆新解釈「カグツチ被殺③」アイキャッチ 新解釈『古事記』
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本日のトーク内容

以下の内容は、放送内容を加筆修正しています。

皆さんこんにちは、natanです。さあ、始まりました「ろじろじラジオチャンネル」。本日もよろしくお願いします。

前回は、刀剣製作を通して、カグツチ殺害のシーンを見ていきました。今回は、タイトルにもあるように、「タケミカヅチは刀の神様じゃない説」について、私の考えをお話したいと思います。

natan
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なんか「じゃない説」って、ろじろじでは定番になりそうなネタですね(笑)

そして後半では、その考察を通して見えてきた、嬉しいお知らせについてもお話したいと思います。それでは早速解説に入ります。

古事記「カグツチ被殺①」(原文/読み下し文/現代語訳)

解説

タケミカヅチは刀の神様ではない?

タケミカヅチは雷神で金槌の神様

カグツチを斬り殺したときに生まれた建御雷の男神。この神は名前の通り、雷神です。雷神というと、あの恐ろしい形相の神が思い浮かびますよね。

雷神

カグツチ殺害は、イザナミを失った悲しさから、イザナキが起こしてしまった突発的行動だと思われますが、そのときのイザナキの形相を雷神が表現していると思うと、なんだかとても恐ろしいですね。

さて、タケミカヅチは、一般的には刀の神様だとも言われています。「稲妻が闇を裂いて 俺を呼んでる」(by マッチョドラゴン:藤波辰巳)じゃないですけど、雷は暗闇を引き裂くからそう考えられているのかなと思います。

また、タケミカヅチは国譲りの際、アマテラスたちの命令で、高天原たかあまはらからあめの鳥船とりふねと一緒にあし原中はらのなかつくにに降りてくるのですが、オオクニヌシと国譲りの交渉をするとき、奇妙なことに、つかのつるぎの切っ先に足を組んで座ります。その威厳ある姿からも、タケミカヅチは刀の神様なのだと思ってしまいがちですが、私としては、彼は刀の神様ではなく、別のものを象徴した神様だから切っ先にあぐらをかいて座ったと思っています。

結論から先にお話すると、私はタケミカヅチは、自然現象で言えば雷神ですが、モノの神様で言えば、刀の神様ではなく、金槌の神様だと考えています。その件について、詳しくお話していきますね。

十拳劒をどう考えるか

まず十拳劒をどう考えるかが、タケミカヅチを考察する上でとても重要なポイントになると私は思います。十拳劒は、拳十個分ほどある長い剣だと言われていますが、その解釈以外に私は、柄の長さが拳十個分ほどあって、先端にも拳ほどの長さの何かがついているもの、とも解釈できるなと思いました。

なぜなら、「トツカ」とは柄の長さの方を強調している言葉だと思うからです。柄が拳十個分ほどの長さを持っていて、そして、先端にも拳ほどの長さを持つ何かが付いているとするならば、その先端にかかる圧力や衝撃はとても強いことが想像されます。そして、先端にかかる圧力や馬力も、拳十個分ほどあるのではと思いました。

だから十拳劒は、日本刀のように刃が長いものではなく、柄の方が長くて刃先が短いもの。つまり、矛や槍のような形状をしたものだと私は思うんです。

そして、たぶん、その矛的な形状と関連する形でタケミカヅチが登場していると思うので、タケミカヅチも同じく、柄が長くて、先端が短いもの、もしくはその先端に拳のようなものがついていて、矛や剣のように振って使う何かを象徴した神だと私は考えました。

十拳劒とは

雷は音が重要!

私は、「雷神」「柄が長くて先端に拳」「振る」というワードをグルグルと頭の中で回転させてみました。すると、ふと浮かんできたのは太鼓のバチ。

そのとき、「あ、そもそも雷って、暗闇を引き裂くだけでなく、世界を震え上がらせるような轟音があってこそのものだよね」と思ったんです。「雷の何が怖いって、あの轟音だ!」と。音もなく光る雷も怖いですが、それ以上に怖いのは耳をつんざくようなあの音だと。その轟音を発生させるのは太鼓とバチ。だから、雷神に関するおもちゃにでんでん太鼓があるのだと思ったんです。

また、タケミカヅチの「づち」を小槌やハンマーの「槌」として捉えてみると、「金槌」というワードが浮かんでくるんですね。タケミカヅチの「ヅチ」と金槌は音が似ているだけでなく、そのフォルムも太鼓のバチに似ています。だから、結論として、タケミカヅチは金槌を象徴した神様だと私は考えました。

そして、金槌という視点で国譲りのシーンも考察してみたら、タケミカヅチが金槌だという証拠になりそうなものを見つけました。

タケミカヅチの正体

天鳥船とタケミカヅチの共通点

国譲りの際、タケミカヅチは天鳥船と共に高天原から葦原中国へやってきます。『古事記』解説第七回でお話したように、私は、天鳥船は船の神様ではなく、火起こしの神様だと考えています。まいぎり式火起こし器が船のフォルムに似ているから、天鳥船に船という字を当てたと思うからです。

そして、その天鳥船をタケミカヅチは連れてきて、刀の切っ先にあぐらをかいて座るわけですが、そこでハッと気づいたのは、刀剣製作において、刀匠が炉の中に火を起こすとき、尖った鉄の先端を金槌で叩いて熱を発生させ、その熱を和紙に移して火を起こすということ。炉の火は、他の釜の火をもらってつけたりしないんです。わざわざ鉄を叩いて火を起こすようで、これは古来からのやり方だそうです。

つまり、タケミカヅチと天鳥船の共通点は、共に火を起こすことができるということ。そして、共に先端にかかる圧力が大きいということ。

タケミカヅチの正体②

刀剣製作において、火を起こすための道具は金槌です。タケミカヅチが刀の切っ先に座ったのは、刀の神様だからではなく、刀を作る道具、金槌だから。刀の切っ先に座るとは、金槌によってその部分にエネルギーを発生させるということを象徴したものだと思います。

そのとき、タケミカヅチが起こすのは耳に響く音、そして熱と火花。だから彼は自然現象でいえば雷、道具でいえば金槌を象徴した神なのだと考えます。

現時点では国譲りのシーンに至るまでの過程を詳細に考察していないので、そこでは別の目的があって刀の切っ先に座ったのかもしれませんが、今言えることは、タケミカヅチは金槌を象徴した神様だということです。その金槌は、鉄を鍛えるときにも用いられます。

タケミカヅチは柄杓の神様

さらに、タケミカヅチがフォルム的には金槌の形状をしているということがわかったら、今度は甕速日神、樋速日神との新たな関係性も見えてきました。

私は前々回の解説で、甕速日神たちは雷の瞬間的な速さや明るさを象徴する神々であるだけでなく、甕速日神はカメや壺、樋速日神はそのカメに液体を注ぐための樋のようなものも象徴しているとお話したのを覚えていますでしょうか?そして、タケミカヅチも含めて、これら神々は三位一体構造を持っているということもお話させていただきました。

タケミカヅチの正体③

今回の考察も含めて、改めてこれら神々の関係性を考えてみたら、タケミカヅチの太鼓のバチのようなフォルムから、柄杓の要素も感じ取れるなと思ったんです。柄杓の先端が甕速日神、柄が樋速日神。そして、柄杓全体がタケミカヅチ。これで三位一体。

タケミカヅチの正体④

タケミカヅチと柄杓って変な感じがするかもしれませんが、日本の昔話を参考にすると、昔の人は雷神が空の柄杓をひっくり返すから雨が降ると思っていたそうです。だから、柄杓も雨や雷神と深い繋がりを持っていると私は思います。

そして、何を隠そう、国譲りのシーンでタケミカヅチが座る刀は十掬劒と書き、これは「水をすくう」という意味を持つ漢字です。剣という言葉から刀ばかりをイメージしてしまいますが、『古事記』でいう刀は、私たちが考えるような刀ではなさそうです。

天鳥船が船の神様ではなかったように、タケミカヅチも刀の神様ではないというのは、『古事記』の引っ掛け問題みたいな感じだなと個人的には思います。そこの解釈を間違えると『古事記』全体の内容も大きく読み間違えてしまうので、丁寧に読み解いていかないといけないですね。

さて、お話を戻すと、タケミカヅチは柄杓だとして、今回のシーンを改めて眺めてみると、カグツチ殺害はイザナキの怒りによって引き起こされたものですが、イザナキはわれを忘れるほど激怒しながらも、きっと心の中では泣いていたということなのかもしれないですね。それも大きな柄杓をひっくり返したような大豪雨レベルの涙。そう考えると、何だか急に切なくなってきます。

嬉しいお知らせ

半夏生(別名:カラスビシャク)

では、ここからは、タケミカヅチを金槌、または柄杓を象徴した神様として、改めて今回のシーンを読み直してみたとき、ある嬉しいお知らせが見えてきたので、最後にその件についてお話をして、今日のお話を終えたいと思います。

先程お話したように、タケミカヅチは柄杓を象徴した神様で、昔の人は「雨雲=柄杓」と考えていたようです。柄杓をひっくり返したような雨といえば、私は梅雨や夏の豪雨をイメージします。雨関連のことをいろいろ検索してみたところ、梅雨は季節としては半分夏に入っているので、「はんしょう」と呼ばれているということを知りました。

私は何気なく半夏生について調べてみたところ、半夏生は季節を表す言葉だけでなく、半夏という植物が生える時期だから半夏生と言うということを知りました。なので、半夏という植物も合わせて調べてみたら、その植物はカラスビシャクという別名を持っていました。

半夏生((カラスビシャク)について①

カラスビシャクはサトイモ科の一種で、畑地や野原など、日当たりが良くて乾燥した場所によく生えている多年草だそうです。半分お化粧をしたような葉っぱが特徴的な植物です。面白いことに、名前には柄杓が入っていますね。そして、カラスビシャクの花を見たとき、衝撃を受けました。「ヤマタノオロチに似ている!」と。

カラスビシャクの効能

半夏生((カラスビシャク)について②

私は前々回の解説で、カグツチの血がイザナキの手の指から漏れ出たことで誕生した闇淤加美神、闇御津羽神に、ヤマタノオロチの要素が感じ取れるというお話をしました。指の股の数が八つという点がポイントです。そして今回、タケミカヅチは柄杓だとして思考作業を進めた結果、そこでもまたヤマタノオロチに似たものが出てきてびっくり!

カラスビシャクの姿は、蛇が舌を出しているように見えますよね。さらにもう一つ驚いたことがあって。カラスビシャクは薬にもなるそうで、効能としては、吐き気の緩和、利尿作用、つわり緩和などだそうです。

つわりは妊娠中の症状です。私はこれまで、イザナミは死んでも自らの遺体を畝に変えて、新しい命を育むための土台になろうとしてるとお話してきましたが、もしかしたら、いよいよイザナミの中で新しい形の妊娠が始まっているのかもしれないなと思いました。それを遠回しながら、カラスビシャクの薬効(つわりを和らげる)を通して『古事記』は語っているのかもしれないなと。

これまでのシーンを振り返ってみると、イザナミが死んで畝となり、その畝をイザナキの涙が潤し、新しい命が育つ準備ができたこと。そして、山や大地の噴火によって流れ出たカグツチの血が象徴する溶岩は、大地と海へミネラルを供給すること。イザナミの死、そしてカグツチ殺害という悲しく恐ろしいシーンのその裏側で、静かに新しい命の鼓動が始まっていたということの確かな裏づけをカラスビシャクから得ることができました!

いや~、なんて嬉しいお知らせなんでしょう。タケミカヅチの轟音のせいで、その鼓動はなかなか聞き取れなかった(笑)今回聞こえてきて良かったです!

natan
natan

産婦人科で、「お母さん、大丈夫です、赤ちゃんの心拍確認できましたよ」と告げるお医者さんの気分です(笑)

受精卵は受精の瞬間光を放つ

というわけで、今日の解説は以上になります。そうそう、妊娠関連で面白い話があるのですが、精子と卵子が結びついた瞬間、つまり受精した瞬間、興味深いことに、受精卵が一瞬だけ光を放つそうです。これは、アメリカノースウェスタン大学フェインバーグ医学部が発表したものです。

受精の瞬間、亜鉛の火花が受精卵から発せられるとのこと。これってタケミカヅチっぽいですよね!もしこれが本当だとしたら、今回のシーンは新しい命が宿ったことを語っているという私の考えは合っていそうだなと思いました。でもこれは受精の段階の話なので、心拍を聞き取れるレベルではなさそうですね。私の解釈は、気持ちが先走り過ぎているのかもしれません(笑)

ノースウエスタン大学の研究内容が気になる方は、概要欄にリンクを貼っていますので、よろしかったら見てみてください。

natan
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それでは今日はここまでです。
ご視聴いただきまして、ありがとうございました。
また次回もぜひ聴いてくださいね。
それではまたお会いしましょう!バイバイ!

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